時刻を知ることは、日常の文明社会において、欠かすことのできないものになっています。
また、時刻は全ての物事を決定する上で正確なものが要求され、現在では1ピコ秒(10-12秒)のオーダが要求されています。
例えば、全ての放送局は、この時報局から時刻情報を取得して、正確な時を刻むようにしています。
時報局は、24時間休み無く時刻情報を送りつづけることで、その役目を果たしています。
1980年代後半から、先進諸国を中心にこれらの時報局が長波帯に移行しはじめました。
日本でも2001年3月31日には、1940(昭和15)年から稼動していた短波帯の時報局(5.000MHz/8.000MHz/10.000MHz)がついに閉鎖されました。
短波帯では、電離層の影響を受けやすいため、受信側で時刻校正精度に限界(10-8秒精度が限界)があり、更に受信自体が不安定であるなどの要素があるからのようです。
日本では、1999年6月10日 14:00 過ぎより長波帯JJYが40.000kHz で福島県東部より送信が開始され、2001年10月1日 12:00 過ぎには、日本全土をカバーするため、福岡県西部に2局目の長波帯JJY送信所が60.000kHz で稼動開始しました。
短波帯JJYが停波する前に受信信号を録音してみました。現在は聴くことができません。
JJY01 (10分48秒) | |
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JJY02 (10分22秒) |
※ 同じ周波数で送信している複数局の混信もありますが、JJY02(開始後 0:20くらいから)の方がやや聞きやすいかと思います。
長波帯 | 短波帯 | ||
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周波数 (kHz) | 国名/局名称 | 周波数 (MHz) | 国名/局名称 |
25.0000 | ロシア/RAB99 | 2.5000 | アメリカ/WWV |
25.0000 | ロシア/RJH63 | 2.5000 | 中国/BPM |
25.0000 | ロシア/RJH66 | 4.9960 | ロシア/RWM |
25.0000 | ロシア/RJH69 | 5.0000 | アメリカ/WWV |
25.0000 | ロシア/RJH77 | 5.0000 | 台湾/BSF |
25.0000 | ロシア/RJH90 | 5.0000 | 韓国/HLA |
40.0000 | 日本/JJY | 5.0000 | 中国/BPM |
50.0000 | ロシア/RTZ | 10.0000 | 中国/BPM |
60.0000 | イギリス/MSF | 10.0000 | アメリカ/WWV |
60.0000 | アメリカ/WWWB | 15.0000 | 中国/BPM |
60.0000 | 日本/JJY | 15.0000 | アメリカ/WWVH |
66.6600 | ロシア/RBU | 16.0000 | オーストラリア/VNG |
75.0000 | スイス/HBG | 20.0000 | アメリカ/WWV |
77.5000 | ドイツ/DCF77 | ||
80.0000 | カナダ/CYZ40 | ||
91.1500 | フランス/FTA91 | ||
198.0000 | ロシア/RW166 |
オーストラリア時報局 VNG →
※ Present by kori さん (2003/10/19)
有志の方々と、JJYを運用している独立行政法人 情報通信研究機構(NICT) の担当部署のご協力で、
パソコン (Windows 98/Me/2000/XP) 上でほぼ忠実な短波帯JJYの再現が可能なようです。
右記のページを参考にしてください。 → 標準周波数報時シミュレータ STEMU
情報提供元はこちらになります。→ 名崎無線送信所研究サイト (トップページ)
※ 当該サイトは、名崎無線送信所とは無関係です。