VHF−DX(概要編)
※ 具体的な外国のTV・FM周波数割当てやTVの方式が知りたい方はこちら → 資料編へFMラジオでも外国の放送を聴取できます。
意外に知られていませんが、これは事実です。と、言っても電波の性質について多少知っている方々の間では、ごくありふれた事です。
日本で一般に市販されているFMラジオでは、地理的な条件もありますが、主に韓国と中国大陸のFM放送・TV音声を聞くことが出来ます。
但し、FM放送とTVの1ch〜3chを受信できるワイドバンドものでないといけません。
(受信周波数 76〜108MHzのもの)
理由はこのページの一番下の項目を見ると理解できます。
TV放送は各国で方式が違います。(アナログ方式)
TV放送は、実用化の段階でラジオ放送のような規格統一の動きはありましたが、現在ではNTSC/PAL/SECAMという3つの方式があり、互いに互換性がありません。日本のTV放送(アナログ)はNTSC方式であり、この方式を採用している国(地域)は、近隣諸国では、韓国と台湾の2つです。
北朝鮮や中国はPAL方式であり、受像するにしても、PAL方式に対応した受像機を用意しないといけません。
ロシアはSECAM方式です。
また、2003年12月1日から、日本の3大都市圏で開始されたディジタル地上放送にも方式が4つ (ISDB=日本/ATSC=米国/DVB=欧州/CDMB=中国)あり、互いに互換性がありません。
また、同じSECAM方式/PAL方式でも走査線数など、細かな差異があり、さらにそれらに対応する受像機を用意する必要があります。
無線の世界では、何でも「X」で略してしまう
DXとは、「遠い所」を意味する Distance の略語です。アマチュア無線などでは、少し長い単語は、適当に削除して「X」の一文字で済ませるのが通例です。
「送信機=Transmitter」はTX、「受信機=Reciever」はRX といわれ、世界中で通用する略語です。
DXの定義は難しいですが、「受信を試みるには相手が遠くて、運と工夫が必要な相手」と、いったところでしょうか。
VHF(Very High Frequency)〜その性質
電波の一般的な知識を得ると理解しやすいです。一般的な話題参照はこちら→ 電波について通常のVHF波は、電離層を突き抜けて宇宙空間へ行ってしまうか、送信所から直接見渡せる、即ち「見通し範囲」のエリア内にしか電波は届きません。
しかし、このVHFの電波を反射する電離層が局所的且つ突発的に発生し、この時にVHFの電波が異常伝播し、近隣諸国のFM放送やTV放送が見ることが出来るのです。
もちろん、VHF帯でのアマチュア無線等でも外国と交信できたりします。
この電離層はE層の付近に発生することから、「スポラディックE層」と呼びます。これを略して「Eスポ」と呼ぶことが多いです。
この電離層の発生理由は現在も良くわかっていません。
ただ、夏の日中に発生することが多いようです。真冬でもEスポは発生します。夜間はあまり発生しないようです。
また、Eスポ以外にも異常伝播する事象が存在します。
国によって違う放送周波数割り当て範囲
VHF以上の周波数帯は、それぞれの国内の状況によって同じ周波数であっても、異なる周波数割り当てがされています。下記はこちらで把握しているおおまかな情報です。
※ 日本の VHF帯TV放送割り当ては、2012/07/25 で廃止されています。