温度センサー格納の実験
さて、温度センサーが上手く稼動したとしても、温度センサーの設置場所によっては、正しい計測自体ができません。
特に空気の温度(室温・外気温)はこの設置場所の良し悪しが正しい計測をする上で、直接影響します。
最も難しいのが外気、即ち気温の計測です。
同じ日の夏の快晴の日中を思い出しましょう。
日なたでは直射日光で暑くてたまらず、下手をすると日射病になります。
日陰では、その暑さは多かれ少なかれ緩和されます。
これは単純に日なたと日陰で気温差があるからです。
また、直射日光が照りつけることで、日光を受けた物質が赤外線で暖められ、気温以上に温度上昇が起きます。
これでは、正しく気温を測ることができません。
気象庁が設置するアメダスは、このような事がないように様々な工夫をして、どのような環境であっても正しく気温が計測できるようにしています。
ここでは、身の回りの材料を駆使して、いかに正しい気温を計測するか、を実験した結果を公開するページです。
活用できるようであれば、是非活用してください。
(DS1820 温度センサーの製作記録はこちらのページへ → DS1820 温度センサー )
外気温計測機器(?)の開発
基本は、直射日光を遮り、通気性を良くすること
従来、たいていの学校には「百葉箱」があったのですが、基本的には「百葉箱」がヒントになります。金属ケースやプラスチックケースでは通気性が問題になり、木製ケースでは、断熱性が問題になることが予想されます。
いろいろ探していると、「いけるかもしれない」と思ったのが左の写真の「藁ケース」です。
値段はちょっと変わったものの為、やや高価で、500円では買えませんでした。
(東急ハンズ札幌店で 720円...)
本来、おにぎりを入れるためのものですが、今回はこれを、温度センサーを格納するケースにします。
藁ケースでは、そのままでは、耐候性に問題ありなので、通気性を損なわないで、耐候性を改善するために、全体にニスを塗ります。
(塗りすぎは通気性を損ないますので、難しいところですが ^^;)
どのような色でもいいと思いますが、今回は材質の見た目をそのまま生かしたいので、透明のタイプにしました。
最近は、左の写真のようにスプレータイプのものもあり、特別な道具が無くてもニスを塗ることが出来ます。
失敗作2題.....(爆)
★その1..... 最初、このように風通しの良い場所に設置してみました。
南側に面した壁です。これが災いして、北海道の真冬なのに、朝から温度センサーは、+ 8.5℃とか + 9.0℃とかになり、明らかに使い物になりません。
試しに白い布のテープを貼ってみたりしたのですが、殆ど効果はありませんでした。
逆にいえば、布テープは通気性があるという事がわかりました。(爆)
★その2.....
次に、自宅で最も日陰の時間が長く、それなりに通気がある場所に設置してみました。
西に面していますが、この時期(1月〜3月)は太陽の光が終日あたらない日陰です。
上手くいったかのように見えましたが、1/13 〜 1/16 の暴風雪
(北海道オホーツク海沿岸の北見市で記録的な大雪を観測した時です)
で、この箱ごと雪の吹き溜まりで埋もれてしまって数回掘り起こしたり、
その雪が融けて水浸しになったときに温度が0℃以上にならなかったりして
気温と大きく食い違いを起こすことがわかったので、次なる策を考えざるをえませんでした。
3度目の正直?
★その3..... ★その2と同じ場所なのですが、今度は、吹き溜まりや水浸しの影響を受けないように設置方法を変えてみました。
少し、周囲の輻射熱の影響を受ける気配はあるのですが、今のところ、周囲の私設観測地点とそれほど異なる訳でもなく、まぁ使えるかな、という状態です。
実験はまだ継続中です(爆)。